2017年 05月 28日
フィンガーピックの話
「またか」的な話で恐縮ですが、悩んでるんですわ。ピックで。
わたくしはずっと指弾きが好きで、ギターを弾き始めた中学生の頃は、あまりストロークの曲をジャカジャカやるのがカッコいいと思わない部類の人間でした。ストロークをやるにしても、いわゆるカーター・ファミリーピッキングっていう、ベース音を入れる奏法を好んでました。
今は違いますけどね。今は、ジャカジャカやるの大好きです。
で、その影響からなんですが、サムピックは普通に使ってまして、使わないといまだに違和感を感じちゃうんです。ピックで出すベース音の強さに慣れちゃってるので、指だけで弾くあの弱いというか、優しい感じの音に耳と指が慣れてない。
それは、歳を重ねてフィンガーピックを着けるようになることに繋がるわけですが、つまり、アタックの強い音が好きなわけです。
もう、10年以上もフィンガーピックを使うようになっていますので、指先に何かをつけて演奏することに慣れきっちゃって、お琴の爪をつけても弾けると思うくらいなわけです。
でも、それに慣れているとギターを弾こうって時に、サムピック着けて〜、フィンガーピック着けて〜、それぞれの角度を調整してぇ〜、みたいなことをやらなくちゃいけない。さらっと弾けないわけです。で、急に「ギター弾いて」って言われた時、サムピック、フィンガーピックがないと弾けない、というか、慣れない弾き方で人前でとちりたくない、と思っちゃってたわけです。
でもね、フィンガーピックをつけないと、どういう感じかというと、まず「弾きやすい」のです。自分の部屋で、ただ爪弾くときなんて「何も着けてないとなんて弾きやすいの」と思っちゃうわけです。
じゃ、なんで指だけで弾かないの?と思うでしょうが、1番の理由は「音が小さいから」なんです。音が小さいと、なーんか不安というか不満というか、しっくりこないんです。でも、これも慣れかなぁと。
さらに、以前からちょっとずつ練習していた、ボディを叩きながら演奏するという「スラム奏法」を本格的に練習したくなったのも大きい。このスラム奏法は、フィンガーピックを着けてると、やりにくい、というか、不可能に思えちゃうくらい難しい。
で、3月ごろかな、一念発起して「フィンガーピック、取ってみよう」って思っちゃったわけです。
そこから、以前もやたら研究していた「爪強化」に入りました。最初はスカルプです。爪の硬化剤ですね。これ、いいんですが、爪を痛めるんです。私は結構強く弾いちゃうので、弾いてるときにスカルプごとゴソっと剥いじゃう時があって、これがイタイ。爪の表面ごと剥がしちゃうんで、爪がペラペラになっちゃう。で、これはやっぱりダメだ、と。
次に試したのは、つけ爪。今はギタリスト用のつけ爪がありますので、それを使ってみました。スカルプよりメンテが100倍くらい簡単で、付替えもすぐできるので一時は「これに決めた!」状態でしたが、やはりスカルプと同じように演奏中に剥がれちゃうことがある。だから、テーピングで押さえたりしていたんですが、こうなるとフィンガーピックを使うときの事前の準備と同じじゃねーか、ってことに気付いたことに加え「痛々しい」とウエイチくんに言われたこともあり、「もう、何もつけないよにしよっと」と、なったのです。
そして、いつもお世話になっているカボスさんでピックなしで弾いたら、あら、問題ないじゃん、と。何が問題ないって、ピックがないと音が小さい、アタック音に納得できない、みたいなことがなかったんです。スラム奏法もきれいに音が出るじゃん、って。
私は基本的に、カボスで演奏していろんな調整の確認をするんですね。ボディヒットと音の出方、指で書き上げるストロークをするときの音の出方など、一つ一つ確認していたわけです。
で、「爪で弾かなくても大丈夫!」というところまで来ました。
ただ、爪のすり減り方が異常。もともと爪が弱いほうなので、ギターを1日2時間は軽く弾いてる自分ですから、爪がすり減っちゃって、もうほとんど指先の肉でしか弾いてない状態。ますます出音は小さくなっておりました。
そして、今日1ヶ月ぶりの野外演奏を行ったんですが、弾いてる出音を聞いて「音が小さすぎる!!」と大ショックを受けました。で、音を大きくするためにピッキングを強くするんですが、それでミスをおかす。この力の入れ方だと素早いピッキングができないし、結構な力を入れているのに自分のイメージしている音が出ない。
考えてみたら、カボスさんは音を拾うのが上手いし、出音の調整も上手いから出来ていたわけで、他のところだとそうはいかないってことに改めて気付かされたのです。カボスさんの「音の良さ」が普通になっていたのですが、それは普通ではないのです。
で、家に帰って来て久しぶりにフィンガーピックを着けてみると、当然ですが力まずに十分な音量が出る。音も好みだし。
で、驚いたことにスラム奏法ができるんです。この3ヶ月間、スラム奏法ばっかり自宅で練習していたせいでしょう、指先にものをくっつけていても、スラム奏法ができるようになっていたのです。それも、力まずに。固いピックが指先についているから、ほとんど力を入れなくてもパーカッシブな音が出るんです。
これには、ちょい驚きました。軽いタッチで弾くから、ミスも少ない。確かに弾きづらいんですが、力を入れてフィンガーピッキングするのに比べれば、はるかに楽。
「あー、無理してフィンガーピックを取る必要はなかったな」
というのが、本日の結論。着ける着けないを使いわけりゃいいだけなんですね。
それにさ、考えてみたら、フィンガーピックを着けて演奏する人は、私の回りでは皆無なんですよ。それは、弾きにくいから。「ブーツの上から足をかいているようだ」と表現されるくらい、イライラするほど思い通りの弦を弾けなくなるんです。これを克服するのに、数年はかかってますからね。
だから、フィンガーピックをつけて演奏できる自分は、一種の特技なんじゃないかとふと気付いた。その特技を捨てることもないじゃん、と。
曲によって、使い分けることにしました。でも、基本はフィンガーピックをつけるだろうな。着けて演奏するときに、できないことがなくなってきたから。
ということで、10数年前にフィンガーピックをつけて演奏している人を見たときの、その音のクリアさとカッコよさ(自分にはものすごく格好良く写ったんです)に射抜かれて、フィンガーピックを着けて演奏する!と決めて以来、演奏の方法を変えてみようと思ったこの3ヶ月のお悩み期間に終止符が打たれそうな雰囲気になってきました。
でも、この3ヶ月間の指弾きの特訓で得たものもありました。そのおかげで、フィンガーピックを以前よりうまく使えるようになったわけですから。
小田原地域では、おそらく唯一のフィンガーピック使いである飯山さんは、これからも使い続けてみようと思っておるところでございます。
ギターに興味がない人には、全くもって面白くないし、ギターを弾く人であっても、たいして興味を持たいない話を長々と書いてしまいました。
まぁ、次に悩んだ時に同じことを繰り返さないための自分への記録のつもりなんですけどね。
by 40kids_iiyama
| 2017-05-28 23:50
| 音楽