ペニーレインでバーボン
先日、私は国際フォーラムで行われた吉田拓郎さんのコンサートを見ました。
年はとっているけれど、声がよく出ていました。すばらしかったです。コンサートの組み立ても、とても楽しかった。
お客さんも「大人」だから、とても居心地がいい感じ。みんな座ってるし(^^)。
見ていて「拓郎さんもがんばってる。俺もがんばらなくちゃ」って、元気が出ましたよ。
で、その拓郎さんのコンサートで配られていた5枚組CD-BOXのチラシをみて気がついたことがありました。
名盤「今はまだ人生を語らず」もCD化されてこのCD-BOXに入っているのですが、タイトルが「今はまだ人生を語らず-1」。このマイナス1はなにかというと「ペニーレインでバーボン」という曲です。歌詞が問題で「今はまだ人生を語らず」自体が廃盤になっているという、いわくつきの曲です。
「テレビはいったい誰のためのもの
見ている者はいつもつんぼさじき
気持ちの悪い政治家どもが
勝手なことばかり言い合って」
という、この「つんぼさじき」が差別用語であり、放送禁止用語であるからです。
私は、この「今はまだ人生を語らず」は、拓郎さんのアルバムの中でも1,2を争う名盤だと思っているので、とても残念。「ペニーレインでバーボン」自体も名曲です。
CD化されても、この曲が入っていなくて残念。やっぱりアルバムはトータルで聞くものだと思っていますし。
で、これに引っかかったわけは、最近復刻された井上陽水さんの「氷の世界」です。
実は1996年にもリマスタリングされてCD化していますが、このCDの中にもオリジナルのアルバムに入っていた「自己嫌悪」という曲がカットされるということがおきています。
その歌詞は
「めくらの男は静かに見てる
自分の似顔絵描いてもらって
似てるとひとこと呟いている
あなたの目と目よ涙でにじめ」
というもので、この「めくら」が、やっぱり差別用語で放送禁止用語だからです。
以前このブログでも書いたように、つい最近、氷の世界は2回めのCD化がされました。
それには、マイナス1どころか未発表テイクまで入っています。
そして、なんと「自己嫌悪」も収録されているのです。
これを見ると、同じ差別用語でも発売する側(アーティストなのか会社なのか、それとも両方なのか)の了承があれば発売できるんだなぁと思いました。
だいたい、今の時代は「放送禁止曲」ってものが無いんですからね。もっと言えば、もともと「放送禁止曲」ってのはなかったわけです。自粛にすぎなかった。あ、この辺のことを書くと長くなるのでやめておきましょう。
この際、差別用語をCDに載せることに対する賛否ではなく、出してもいいんだ、ということを氷の世界を聞いて思ったものですから、拓郎さんの「-1」は、どういう事情があったんだろうかって思ったわけです。
確かに差別用語を発することは禁じられるべきものですが、世の中にはいくらでもそういう作品がありそうなんですけどね。「ペニーレインでバーボン」も「芸術作品」として聞いてもらえるといいなぁって、単純に私は思います。
要は解釈の違い、受け取り方の違いをどう考えるのかってことなのでしょうか。
憲法9条を持ってして、戦争ができるように解釈する人がいるわけですから。

