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元を取る

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日本人の悲しい性(さが)に「元を取る」という感覚があります。
つまり、食い放題などのサービスに対して「得をしよう」という意味です。
最近、私がよく行くBig Boyというファミレスでは、サラダバー、ドリンクバー、スープバーとサイドメニューの食い放題が3つもあるので、大人気です。そのほかのメニューもコストパフォーマンスが高いと感じますし。
で、本当にこういった食い放題的なもので「元が取れる」のでしょうか。
ちょっと考えれば簡単です。商売として成り立っているのですから、客が「元を取る」わけがありません。
ちょっと調べてみると、ドリンクバーでも1杯あたりの単価としては10円以下だといいます。Big Boy のドリンクバーはセット価格でも150円。つまり、15杯以上飲まないと「元は取れない」わけです。サラダバーやスープバーしかり。
テレビに出ちゃうような、相当な大食いじゃないと元が取れるわけがないのです。

それで思い出したことがあります。最近はあまり見かけませんが、バブルの時代は「超大盛りメニューを完食したら、無料(賞金を出すところもあった)」っていうようなことをウリにした店がそここにありましたよね。まだテレビチャンピオンで大食い選手権なんてものをやるはるか昔のことです。多くの人がそれに挑戦して、撃沈。超大盛りの代金を払ってスゴスゴと退散する、っていうシーンも多く見られたことでしょう。
そんな中、私の高校の近くにそういう特別メニューをウリにしたラーメン屋ができました。
ふつうのラーメンが何玉はいるんだろうっていう、超でっかいラーメンどんぶりに入ったラーメン。これを完食したら、たしか「無料+賞金5000円」でした。失敗したら、その超大盛りラーメン代はもちろん払います。2000円以上だったかな。
学校の帰り道のいい場所にあったので、私もふつうのラーメンを食べたことがありますが、まぁふつうのラーメンでした。
で、その特別メニューを見てイヤな予感がしたのをはっきりと覚えています。その店主は、あまりにも市場調査が足りないと思ったのです。

私の高校は付属校で、グランドなどのスポーツ施設は大学と共有していました。だから、高校生だけではなく大学生もうろついている地域でした。大学とスポーツ施設を共有しているのです。わかりますね。それも、スポーツ校と揶揄されるような、スポーツバリバリの高校・大学なわけですよ。

その店は「完食記念」として、半紙に名前を書いて(ご丁寧に写真つき)、壁に張り出していました。最初の数日こそ、ぜんぜん張ってなかったのですが、ある日恐れていたことが現実のものとなりました。
外から見ても、はっきりその名前入りの半紙が壁にドンドン張られ始めていたのです。
その写真をみて思いました。

「あ、大学の相撲部だ・・・・」

私は、人ごとながら気の毒になりました。そして、増え続けるその名前入りの半紙は、私がみたところ
「今度はアメフト部だ・・・」
「これはラグビー部だな・・・」
「あぁ、重量挙げ部だ・・・、高校生もいる・・・」
みたいにものすごい勢いで増え始めました。
さすがに、1ヶ月もたたないうちに「賞金5000円」はなくなりましたが、無料まではなくなりませんでした。
すでに壁には半紙を張るところさえないような感じです。
ほどなく、そのサービスは終了しました。
たいしてうまくもない、そのラーメン屋です。サービスがなくなったとたん、うそのように人が入らなくなり、あっという間にその店は通りから消え去りました。
以上、これは店が「元を取れなかった」お手本のような本当の話です。

みなさん、お客が「元を取る」のは、このラーメンをつぶした連中でもたぶん無理なのですよ。
もっとも、「元を取る」という感覚は、「通常のメニューどおりのお金を払った場合、得してる感じが気持ちいい」ってことなんでしょう。
だって、ドリンクバーでも3杯も飲めば大満足ですもんね。

ということで、いま、私はいつものBig Boyでこれを書いているのです。厚切りリブステーキのスペシャルセット(ドリンクバー、スープバー、サラダバー、ライスつきのお得メニュー!)を頼んだのですよ。
さて、元を取るためにドリンクバーとスープバーとサラダバー、それぞれ3回目のおかわりに行くとするかな。
by 40kids_iiyama | 2011-08-26 20:45

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