40kidsの歌はともだち・いいやま分

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FMおだわらでタイトルと同じ番組をやってます。---ワケあり50男の一人暮らし・独り言---

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早速、前回の続きに入ろう。


エアースコップを終わらせると、ぱんちょマンはすたすたと私たちの前を歩き出した。

「このポールも俺が立てたんだよね。バイクが入らないようにするためのものだったのに・・・」などと、独り言のように話している。自分の痕跡をさがしているような雰囲気だ。犬が自分のションベンの匂いを探しているのと似ているが、断じて違う。


路地を抜けて通りに出るとすぐ、乾物屋を指差した。「あの店の奥にいる、ほら、あのおばちゃん・・」と説明を始めた。あの人がどうしたんですか?


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「あの人が、さっちゃん」



・・・・・あ、名前を教えてくれただけですね。


別の乾物屋さんの前を通ると「あの棚、見えますね。あれ、俺が作りました。っていうより、この店自体、俺が作った」と言いながら店の中に入る。中国人のお姉さんに「◯◯さんいる?」といいながら、カシューナッツを品定めしている。


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中国人独特のたどたどしい発音で彼女がレジを打ちながら「俺、ここの店の棚とか作っててね・・」などと会話をしているぱんちょマンは、とても楽しそうだ。




その店を出て、ある電気屋さんの前に来ると「この電気屋さんには世話になって。ホントにいい人」


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と言いながら、気が付くとお店に入っていくぱんちょマン。

「ご無沙汰してますー!」というぱんちょマンの声に「あ~!」と言いながら近づいてくる女性。


懐かしいわね~、今日はどうしたの?今、何やってるの?という矢継ぎ早の女性からの質問に、楽しそうに応対するぱんちょマン。歌をうたっていることを話すと「この通りでイベントがあるからその時は歌いに来て!」


この通りで歌っているぱんちょマンの姿が見えるようだった。その日がくるのが楽しみだ。




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歩きながら「あの人、すごく綺麗でね、、、で、今、ちょっとショック」


え?なんで?


「おばあちゃんになってた」


若い頃にやさしくしてくれる女性にほのかな恋心を抱いてしまうのは、世の男性ならだれでも身に覚えのあることだろう。ぱんちょマンの青春の一ページがあのお店にもあったわけだ。


ぱんちょマンはすたすたと歩を進める。一点の迷いもない足取りだ。


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このあと、一つの事件が起きた。


私たちが歩いていると、キョロキョロしている男性がぱんちょマンに話しかけてきた。


道に迷ったのだろう「横浜スタジアムはどこですか?」と尋ねてきたのだ。間髪入れず、ぱんちょマンは「あっちですよ、ここの先をまっすぐ行くの」なんて感じで説明をしている。


私は驚いた。この歩いていても前の人とぶつかってしまいそうな雑踏の中、ぱんちょマンを選んで道を尋ねてきた男性。それほどまでにぱんちょマンは地元臭を発散させていたのだ。加齢臭を感じなかったのは、地元臭を発散させていたからなのだろう。


私はこのとき「ホンモノだ」と改めて確信した。




こういう話ばかりでは読んでいるみなさんも、そろそろ食べ物屋さんの話しも聞きたくなってきているのではないかと思う。


もちろん、ぱんちょマンはお店の案内もしてくれている。それを少し紹介してみたい。




ぱんちょマンが手がけたのは小さなお店ばかり。大きい店の仕事は大手の建設会社が持って行ってしまうからだ。


でも、中華街で行列のできる店は小さい店ばかり。ぱんちょマンが手がけたお店の中で、もっとも行列ができる店がこことのこと。


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水餃子の名店「山東」。この日も行列ができていた。「水餃子は、メッチャうまいっすよ」と味はぱんちょマンの折り紙付き。




シェフの腕なら、ここが一番だろうと豪語したのはこのお店、「四五六菜館」。つまり、何を食ってもうまいということ。


あ、いま、文字を入力していて驚いたのだが「しごろく」と入力したら変換候補に「四五六菜館」が出てきた。すげぇな、こりゃ、有名な店なんだ。




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確かに、シェフの顔写真を店頭に掲示している店は、ここ以外には気づかなかった。「シェフの腕ならここだ」と言ったぱんちょマンの言葉が頷ける。




次はここ。ぱんちょマンが昼飯をよく食っていた店だそう。ってことは、お値段手頃でおいしいっていうことだ。懐かしさに、「牡丹園」の前で思わずポーズをとるぱんちょマン。


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そして、たどり着いたのは、お粥の名店「謝甜記」。めちゃくちゃうまいそうだ。


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ここでもぱんちょマンは熱く語った。


写真をみていただきたい。この日も行列ができていたが、ぱんちょマンが一番熱く語ったのは、これだ。


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ダクト。


ちょっとは予想していたが、やっぱり、お粥の話ではなかった。


このダクトの下には油が垂れているのがわかるだろうか。この油を垂らさないようにするのが、若かりし頃のぱんちょマンのミッションだったのだ。店は朝の5時ごろから動き出すので、その前にここにきてダクトの点検をしていたそうである。朝から腹が減っているぱんちょマンは、よくお粥をもらっていたそうだ。


この看板の横に換気扇をつけるにも、一悶着あったそうだ。


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お店の作りから看板の横に換気扇をつけざるを得ないのだが、そんなところに穴をあけるわけにはいかないというのはお店の当たり前の主張。結局、安全性などを考えて換気扇の穴をつけることになったらしい。


ちなみに、入口の脇のレンガを菱形にしようと提案したのはぱんちょマン。


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思うのだが、今紹介した店はことごとくネット上でも「名店」と言われている。その店をぱんちょマンが作ったというのは、すごいことだ。







こんな感じで、中華街を歩き続ける私たち3人。


「そろそろメシを食いましょうか」と、待ちに待った言葉。


そこも、ぱんちょさんの手がけた名店。行列のできる店になっているという。


「うまいっすよ」と自信たっぷりの声。


楽しみだ。店へ向かう足取りも軽く、速くなっていく。




<続く>



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by 40kids_iiyama | 2014-09-16 00:05 | 旅行・地域 | Comments(0)
2014年9月14日(土)。神奈川県庁前で「カナガワミュージックサミット」が行われ、小田原城ミュージックストリート推薦として「TOPLESS」が出演した。


他の出演バンドとは全く違うミュージカルというべきそのパフォーマンスは、来場者の拍手喝采を浴び、小田原チームとしては鼻高々。毎年小田原の出演者はある意味「濃い」のである。


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このイベントでは、小田原市のPRブースも設けられていたことからお手伝いを仲間にお願いしたところ、ぱんちょマンから二つ返事の快諾を得られた。どうも、あそこらへんは、昔やっていた仕事で深く関わっていたため、ぱんちょマンの庭であるらしい。


イベントの終了間際、ぱんちょマンから「飯山さん、このあと何か用事あります?よかったら中華街でいっしょにメシくいません?俺、いろいろ詳しいから案内しますよ」との言葉。メシは食って帰るつもりであったが、中華街は想定していなかった。っちゅうか、方向音痴の自分があの雑多な中華街でメシを食うのは非常に危険なのだ。止めた駐車場がどこであったかもわからなくなるはずだからだ。


聞けば、22歳から15年間ほど中華街の建築現場で働いていたから、異常に詳しいとのこと。同じくイベント応援にきてくれたりこちゃんと3人で中華街に繰り出すことになった。




「中華はテーブルがぐるぐるまわる店にしますか?それとも、きったねーところでもうまいところにしますか?」と、非常に心強い言葉。知り尽くしている雰囲気を、そのヒゲからもプンプン感じる。汚いところのほうが面白そうというと「ネズミとか歩いてますよ」。そんな話をしながら、県庁駐車場を出発した。




運転はぱんちょマン。「道案内するより、あそこは俺が運転したほうがいいっす」との言葉に甘えた。中華街は県庁からすぐ。今日の中華街はすごく人が多い。中華街は歩行者天国だったんだぁと思うほど、車道を普通に人が大量に歩いている。しばらく人の流れを待っていたが「イッちゃいますか」と、男らしい一言を発するかしないかのタイミングで、人波に私のフォークソング研究所(移動式)を滑りこませる。「おぉっ!」と声をあげるほど強引だ。「この街はこうやって進むんすよ」と平然としている。さすがだ。さすが、中華街を知り尽くしている男、ぱんちょマン。姓は「ぱんちょ」で名は「マン」。自分の家に入っていくような自然さだ。




駐車場にフォークソング研究所を止め、いよいよ中華街へ歩みを進める。楽しみだ。何を食わせてくれるのだろう。美味しい店って、どんなところだろう。期待に胸は膨らむ。


歩き始めるとすぐ「あ、一つ思い出した。あれ」と指さした先は「悟空」という店。


壁面に孫悟空の絵が大きく描かれている。


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「あの絵、一晩で描き上げたんすよ」


へ~、そうなんだ。ぱんちょさんの現場だったんだ。


「あの絵を書いたのは中国人でね、不法入国させたから、人目につかない時間を見計らって、夜中に一気に書き上げてもらいました。一晩っすよ」


なるほど、そういうことにも詳しいんだ。さすがだ。


「ここらへんの店は、かなり俺、かかわりましたよ。ほら、そこも」


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壁面にはしごと窓がついている店。


「あの上の窓あるじゃないすか。はしごを登ってあそこまでいったとしても、あの窓、開きません。俺が作りました」


なるほど。この仕事もしてたわけですね。でも、それ以前にあのはしごを登ることが不可能な気がしたのは、大きな問題ではない。




しばらく雑談を楽しみながらも、ときどき「あ、この建物の2階のクロス、俺が張りました」みたいな会話がちょこちょこと出る。


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夕飯を食いに来たんだよな、とちょっとだけ、ホンのちょっとだけ思ったが、それほど気になることではない。それより、昔の現場を懐かしむぱんちょマンの顔に哀愁がただよっているのが、どこかこちらとしてもうれしい。




「じゃ、ここから入りますか」と指さした先は、自転車で通るにも難渋しそうな細い路地。


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ほぉ~、さすがだねぇ。こんな道を通るんだ。まるで自分ちのまわりを歩いてるようだな。と関心しながら先にすすむと、ぱんちょマンの声が後ろから聞こえる。振り向くと・・・




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な、なに?どしたの?どしたの??




「このポール、俺が建てました。掘ったっすよ~」


とうとうポーズまで取るようになってしまった。


エアースコップだ。




・・いろいろ詳しいんで、案内しますよ・・案内しますよ・・しますよ・・しますよ・・・




県庁でのパンちょマンの言葉が頭を反芻した。


「詳しい」って、こういうことだったんだ・・・


しかし、私の中にも、何かが湧き上がってくるのを感じた。


記録に残さねばならない。


これは、過去に聞いたことも見たこともない「中華街ガイド」だ!


私は、iPhoneをカメラモードにしたまま歩くことにした。




<続く>


※こういう展開になるとは思わず、改めて写真を取り直した場所もあるので、実際の会話と撮影時間がずれているところがあります。

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by 40kids_iiyama | 2014-09-15 02:11 | 旅行・地域 | Comments(0)